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AD連携

1. 概要

AD連携は、既存のActive Directory(AD)と連携してユーザー認証および権限管理を実行する機能です。これにより、ADのユーザー情報とグループ情報を活用してクラウドサービスへのアクセスを制御でき、一貫したセキュリティポリシーを維持できます。

2. 主要機能

  • ADユーザー認証連携:クラウドサービスログイン時にADを通じてユーザーを認証し、その結果に基づいてアクセス権限を付与します。
  • グループベースの権限管理:ADのグループ情報を活用してユーザーの役割と権限を定義し、クラウドサービスにこれを適用します。
  • 自動ユーザー同期:ADとクラウドサービス間のユーザー情報を定期的に同期して最新の状態を維持します。
  • シングルサインオン対応:AD連携を通じてユーザーが同じ認証情報を使用して様々なクラウドサービスにアクセスできるようにサポートします。
  • マルチドメイン対応:複数のADドメインとの連携を通じて複雑な組織構造でも一貫した認証および権限管理を提供します。

3. 動作例

  • クラウドサービスログイン:ユーザーがクラウドサービスにログインする際、IAMソリューションがADに認証リクエストを送信します。ADで認証が成功すると、該当ユーザーのグループ情報を確認してアクセス権限を判断し、サービスへの接続を許可します。
  • ユーザー権限変更の反映:ADで特定のユーザーが他の部門に移動してグループが変更されると、この情報がクラウドサービスにも自動的に同期され、ユーザーのアクセス権限が即時に反映されます。
  • セキュリティグループの活用:セキュリティグループを設定して特定のクラウドアプリケーションへのアクセスを制御し、これをADで管理して一貫したポリシーを維持します。

4. サイバーセキュリティの利点

  • 一貫したセキュリティポリシーの適用:ADのセキュリティポリシーをクラウドサービスにも一貫して適用できるため、セキュリティ管理が簡素化されます。
  • 中央集権的な管理:ADを通じてユーザーと権限を中央で管理することで、重複アカウントや権限の乱用を防止できます。
  • 強化されたアクセス制御:グループベースのアクセス制御で細かい権限設定が可能であり、これによりセキュリティレベルを向上させることができます。
  • 監査およびコンプライアンス遵守:ADと連携したIAMソリューションでユーザーアクセスログを統合管理し、監査要件を満たし、コンプライアンスを維持できます。

5. 導入時の考慮事項

  • ネットワーク環境の構成:ADとクラウドサービス間のネットワーク接続がスムーズに維持されるよう、ファイアウォール設定およびネットワーク構成を事前に検討します。
  • セキュリティ認証方式の設定:AD連携時に使用する認証プロトコル(例:LDAP、LDAPS、SAMLなど)を決定し、セキュリティ設定を最適化します。
  • ユーザー同期周期の設定:ユーザー情報の正確性を維持するために同期周期を設定し、リアルタイム同期が必要かどうかを検討します。
  • アクセス制御ポリシーの定義:ADグループとクラウドサービス権限のマッピングを事前に定義し、導入後のスムーズな運用が可能になるよう準備します。

6. 結論

AD連携は、既存のADインフラを活用してクラウド環境でもユーザー認証と権限管理を一貫して実行できる強力なツールです。これにより、セキュリティを維持しながらも管理効率を高めることができ、組織のセキュリティポリシーを一貫して適用できる基盤を提供します。