ポリシー制御
1. 概要
ポリシー制御は、SSOシステムで認証およ びアクセス制御ポリシーを設定・管理する機能です。これにより、ユーザーやグループごとにアクセス可能なアプリケーション、認証方式、セッション有効期間などを定義し、セキュリティを強化し、ユーザーアクセスを細かく制御できます。
2. 主な機能
- アクセス制御ポリシー設定:ユーザーやグループごとにアクセス可能なアプリケーションを定義し、特定アプリケーションへのアクセス権限を制限します。
- 認証方式管理:多様な認証方式をサポートし、ユーザーやグループの要件に応じてパスワード、2段階認証、生体認証など適切な認証方式を設定できます。
- セッション管理:ユーザーセッションの有効期間を設定し、異常なセッションの継続を防止してセキュリティレベルを高めます。
- 条件付きアクセス:デバイス種別、位置、タイムゾーンなどの条件に応じてアクセスポリシーを差別化して設定できます。
- ポリシーモニタリングおよび監査:ポリシー設定や変更履歴を記録・監視し、ポリシー違反や異常なアクセス試行を検知できます。
3. 動作例
- アプリケーションアクセス制御:マーケティング部門のユーザーはCRMシステムのみアクセス可能とし、他のアプリケーションへのアクセスは制限します。
- 追加認証要求:モバイルデバイスからのアクセス時に追加認証を要求し、セキュリティを強化します。例:モバイルアクセス時は2段階認証を追加で要求。
- セッション有効期間設定:営業部門のユーザーは業務時間内のみ特定アプリケーションにアクセスできるようセッション有効期間を設定し、業務終了後は自動ログアウトされるよう構成します。
4. サイバーセキュリティの利点
- 過剰な権限付与の防止:ユーザーが必要なアプリケーションやデータにのみアクセスできるよう細かく制御し、過剰な権限付与を防止します。
- セキュリティポリシーの一貫性維持:組織内の全ユーザーが同じセキュリティポリシーに従うよう中央でポリシーを設定・管理し、一貫性を維持します。
- セキュリティインシデントの予防:条件付きアクセスや追加認証要求により異常なアクセス試行を遮断し、セキュリティインシデントの発生リスクを低減します。
- コンプライアンス遵守:多様な認証・アクセス制御ポリシーにより規制要件を満たし、監査やレポート時に必要なデータを提供できます。
5. 導入時の考慮事項
- ポリシー定義と設定:組織のセキュリティ要件に合ったアクセス制御ポリシーを事前に定義し、それを基にSSOシステムに適用します。
- ユーザーおよびグループ分類:ユーザーやグループを明確に分類し、各グループの業務ニーズに合ったアクセス権限を設定します。
- 定期的なポリシーレビューと更新:セキュリティ環境の変化に応じてポリシーを定期的に見直し、必要に応じて更新して最新の脅威に対応します。
- ポリシー変更のモニタリング:ポリシー設定や変更履歴を継続的に監視し、異常な変更やポリシー違反を早期に発見・対応します。
6. 結論
ポリシー制御は、SSOシステムでユーザーアクセスを細かく管理し、セキュリティを強化するための中核機能です。これにより、組織は過剰な権限付与を防止し、一貫したセキュリティポリシーを適用してセキュリティインシデントを予防できます。